昨日眠れないながらに無理やり眠った昨日の次の日。そう、今日。

「……朝だ……」

朝だって実感と、大会だって実感は同時には湧いてこない。

何と言っても、朝だって実感はあるのに、今日も走り出したくて仕方がない。

運がいいことに今年は地元で開催される。

走ってくる時間はありそうだ。

「部長、」

「佐倉。どうした?」

「早く目覚めちゃって。走りに行くんですか?」

「まぁな。」

走るといっても、そんなに大した距離でもないけど。

「御一緒してもいいですか?」

「おぅ、」

二人で黙って走る。

ただ、黙ったまま。

何も考えずに淡々と、