雨のち晴れ


「…もう少し、頑張ろ。」

もう少しは、魔法の言葉かもしれない。

もう少し、もうすこしって何度目かわからないけど何度もつぶやいて何度もモチベーションを上げる。

「時雨先輩、ドリンクありますか?」

「え、もう休憩!?」

やってきた一年生にびっくりして問いかける。

「いえ、一人体調が悪そうで休ませてて、水分取らせろと部長がおっしゃったんです。」

「ちなみに誰くんが?」
「大崎先輩です。」

大崎くんならいつもドリンクは濃い目だけど、体調が悪いなら薄い方がいいだろう。なら、分量通りのものを渡そう。

「これ持っていって。タオルは濡らして、首の後ろとか、頭とかに載せてあげて。だいぶやばそうだったら監督に言って、合宿所で布団しいてあげて。」

あたしの言葉に、1年生は、はいっと元気に返事をしてさっていく。

ジャグを用意しておこう。

いつでも飲めるように。