雨のち晴れ


「惜しかったっすよね⁈」

「惜しくても敵にボール取られたら終わりだって。」

平助にトーマが呆れたように言う。

「なんだよー、初心者とか言っときながら俺より上手くなりやがってー!!せめてその身長よこせっ!」

「牛乳と煮干しで頑張れ。168㎝」

よかった。平助はまだ、才能の差が開き始めたことに絶望を感じていない。

まだ、諦めてない。

「牛乳も飲んでるし、煮干しも食べてるっつーの!!ヨーグルト食べまくってるからな!!」

論点が違うところになり始めたのをきっかけに喧嘩を止める。

「はいはい、ストップして、次のやつやるから。」

陣たちがちょうど帰ってきたので、ドリンク等は舞台上に置いておくように指示し、各自水分補給をしながら練習するように指示しておく。

「練習だからって油断すんなよ。ちなみにこの後のゲームで、負けたチームは廊下の雑巾掛けな。あと、トイレ掃除。」

途端に批判の声が上がるが無視。

もちろんレギュラーは全員別のチームにする。