雨のち晴れ


ボールを主に回すのは暁と本田。陣のマークは俺らの中で一番背の高い本田。

俺はもちろん暁のマークなんだが…。トーマと平助の実力差がすごくわかってしまう。

平助だって、下手なわけではない。きっと、身体能力や、才能の差が現れ始めた。

「疾風、平助にそんな熱のこもった視線向けないでよ。相手は僕!」

っと…よくない癖だ。周りをみすぎるがゆえに至近距離が見えなくなる。

そして、あっという間に時間は経った。

「ーっし、走るぞー。」

俺たち3人はコートのラインにに並んで立った。

「ダッシュ10本はじめっ!!」

俺の大声にはいっ、と返事が返ってきて、今ちょうど負けた奴らがダッシュし始める。

「部長のくせに走ってやんのー」

なんて、倫はクスクス笑い出すし、倉橋も笑ってやがるし。

陣と暁はドリンクと蜂蜜レモンを取りに行ったし。