どんどんどんどん、監督もみんなもピリピリしてるのが伝わってくる。

もうすぐ、全国だもんね。

それは仕方ないや。

「これからしばらくはあいつらは余裕がない。お前らに当たる可能性もあるし、他のやつらに当たる可能性もある。だけど、我慢して支えってやってくれ。フォローしてやってくれ。ただ、あまりにも酷く当たられたら俺に言え。いいな?」

「はい。」

しっかりと、頷いた。

監督もあたしたちを信頼してくれるから、そう言ってくれるんだ。

「頼んだぞ。二人とも。」

「「はいっ」」

しっかりと、2人で頷いた。

頑張れる。みんなのためなら。

監督は、部室を出て行った。

「しぃちゃん、頑張ろうね!」

「もちろん。」

あたしたちだって合宿中は戦いだ。

いかにはやくドリンクを作るか、いかに時間ぴったりに食事を作るか、すべて、選手を支えるための戦い。

「さて、できたよー。」

「じゃ、予備のボトルも使って午後の分とジャグにも作っておこうか。」

試合中にドリンクなんてすぐなくなるからいつでも何本も作っておく。作り置きは嫌だけど、冷蔵庫があるからまだマシ。

「了解。じゃ、しぃちゃんはジャグの方お願い。」

風歌は、ボトルに作る方が得意らしい。まぁ、確かにそっちの方が楽だし。ジャグだと運ぶのとか面倒だもんね。