「風歌、部室行くよ!」
「うん!」
掃除道具をすみに片付けて部室でドリンクを作る。
ランニングから帰ってすぐに必要になるだろうからまずはジャグに作っておいてコップも置いておこう。
「風歌、ジャグ運んでくるから作っといて。」
「わかった。」
いってらっしゃーい、というように手を振られ、1人ジャグをモタモタと運ぶ。
「時雨先輩、手伝います。」
「ぁ、佐倉くんランニングは?」
「今からです。遅れたんで、準備出来次第行ってこいのろま、って監督と部長に言われました。」
「じゃあ、お願いしちゃうね。」
はい、と返事をして軽くジャグを持ってしまう。
あたしの手には紙コップだけ。
「これ、舞台上でいいですか?」
「うん。」


