雨のち晴れ



「ほら、お二人さんくっついてないで、1on1。」

倫の言葉に、頷いて、コートにはいる。

「お手柔らかに。」

俺が時雨にいう。

「それはこっちのセリフ。」

俺は一応、しぃにまけたことはない。

でも、きっと少しでも油断したら負けるだろう。

さっきまでと違い、しぃがオフェンスだ。

倫のはじめという声と共に、
しぃはうごきだした。

いつものように、フェイントをする。

「かかった。」

フェイントが、フェイントだったのか…‼

右に行くと見せかけ、左に行く。それを俺は予測している。
だからこそ、右にそのまま抜けたのか……。

それで、右に抜けて、スリーポイント…。

しぃのシュートも百発百中。

「勝った。」

俺は、初めてあっさり負けてしまった。

フェイントに引っかかってしまった。

「疾風、動き鈍くない?あんな小さなフェイントを見分けられないなんておかしい。」

しぃが、俺の頭に手をつける。

「あっつ!なに、熱あるじゃん!さっきのノーカウントね。倫先輩、疾風を平助と部室に連れて行ってください。疾風、着替えて待ってて。一年生は、悪いけど、あたしと片付けしてくれる?」
「はいっ!」

しぃたちはそれぞれ、仕事にはいる。