「集合!」
疾風の大きな声が響いた。
「明日から、夏休みだ。そして合宿だ。今日は必ず早く寝て明日からの合宿に備えろ。」
はい、と大きな返事が響く。
「しぃと、風歌は、今年は、どうする?去年はしぃもとまってたけど、そんなに遠いわけじゃないし、」
「泊まってくよ。朝早くて夜遅いのは変わらないんだから。」
校内の合宿所には6部屋あるから困ることはない。
一部屋、顧問用、一部屋マネージャー用、あとは、部員用、いつも通りか。
「ん。じゃいつも通り頼むな。」
ということは、
「朝ごはん、昼ごはん、夜ご飯は、私たちが作ればいいってことね?」
「悪いけど頼むな!」
あたしたちの仕事は選手が練習しやすいようにすること。
それは絶対の条件。
「わかってる。ただ、風歌の壊滅的な料理の腕を舐めちゃダメよ。不味くても全部風歌のせいだから。」
「しぃちゃん、ひどい!私だって、皮むきとか、野菜を切るとか、皿洗いなら最近手伝ってるもん!」


