雨のち晴れ


ハサミをとっておそるおそる封をきる。

何が書いてあるのか、全く想像できない。

「…」

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時雨へ

突然こんな手紙を出してごめんなさい。私は弱かったみたい。もう辛いんだ。あのね、時雨。時雨を守って私もいじめられてる、って思ってない?違うんだよ。私自身、いじめられてるの。私、ずっと一緒に戦ってるつもりだった。でも気づいたんだ。時雨の方が数倍も、大きく背負ってるって。私、時雨のことなんにもわかってなかった。今考えたら妹ちゃんのことも、家のことも話したがらなかったの当たり前だよね。なのに、私無神経で、ほんと、ごめん。

それから、時雨、自分が、スタメン入りしたから、私がバスケをやめた、とか思ってるでしょ。そこまで、落ちぶれてないよ、私は。時雨はバスケ人一倍、うまかったし、ミニバス経験者だったから何も言われなかった。私には何も後ろ盾がなかった。でも、スタメンではないとはいえ、ベンチには入れた。それを気に入らない連中が、ゲーム中とか、パスとかわざとミスして、体に当てられてたの。時雨がみてない間はずっと。足引っ掛けられたりしたし、殴られたよ。顧問にみえないように。で、部室に戻ったら、リンチ。そんな毎日が続いてバスケットボールを見るのも、ゴールを見るのも、コートに立つことすら怖くなった。
だから、私が弱かっただけなの。

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だんだんと字が震えてるのがわかる。なんとなく、涙の跡も見える。