「あら、疾風君に伝えといてって頼んだのだけれど…」
「ねぇ、急にどうして?」
あたしの記憶では、お母さんにこんな祝われたことはなかった。その代わり疾風のお母さんは、あたしに何かいいことが祝ってくれたし、何か悪いことをすれば叱ってくれた。それに、泣いてるあたしを何度も慰めてもらった。
「今まで、時雨にも疾風君にも辛く当たってしまってたわ。二人は、何も悪くないのに。せめてもの償いよ。…私にはこれくらいしかできないもの。」
…こうやって、普通に接してくれるのがあたしは嬉しいんだって、いいたい。でも、どうやって伝えればいいんだろう。
「ありがとう。」
この言葉しか思いつかないや。
「じゃぁ、私は夕飯の準備してくるわ。焼き魚にしようかしら。」
「うん。」
何気ない日常、を、あたしは手に入れた。でも、アキラは…
そう思うと、あたしは…この手紙を読むのが怖い。


