「…手紙…」
あたしは正直アキラはあたしを恨んでるんだと思ってる。
あたしは、アキラから、たくさんのものを奪ったんだ。
直接的じゃなくて間接的だとしても。代わりはないんだ。奪ったことに。
「時雨、帰ってたの?」
すこし空いた扉からお母さんが覗き込んでる。
「うん。」
「今日の夕飯、何かリクエストある?風歌は、なんでもいいって言うのよ。」
風歌と、和解していなければあたしとお母さんは、いつまでも、わかりあってなくて、こんな会話もなかったんだろうな。なんて呑気に考えている暇なんてなくて。
「そうだなぁ…昨日そうめんだったから…ご飯系がいいかな。」
「それもそうねー。ぁ、次の日曜日、疾風君家と、うちが主催して東海大会優勝のお祝い会しようっていってるの。聞いたかしら?」
「ううん、聞いてないよ。」
お祝い会、か。まだ、全部の大会が終わったわけじゃないけど、いいよね…?
すこしくらい。