「…アキラは一人っ子だろ。」
おれは小さい頃から一緒に過ごして来たんだ。
唯一の歳の近い従兄妹。妹みたいで可愛くて、ほぼ毎日のように遊んでた。
「生き別れのっていえばいい?アキラは両親亡くなった時に赤羽のおじさんの家…母親の弟に引き取られたの。で、僕は父親の兄の倉橋家に引き取られたってだけ。だから、僕もあんたのいとこだよ。赤羽さん。」
で、と、時雨に向かって続ける。
「どーいうこと。」
「…アキラが死んだのは、あたしが原因ってこと。あたしがいじめられてて、知らないところであたしに味方してたせいでアキラもいじめられてた。それで、」
時雨の目にまた涙が溜まって行く。
大粒の涙がこぼれながら大粒の涙が溜まって、その繰り返し。
「行っとくけど、アキラの遺書には、5人、名指しで書かれてた。まず、赤羽のおじさん、おばさんに、先立つ不幸をお許しくださいって。次に僕に。もっと一緒に暮らしたかったって。次が赤羽さん。ありがとうって。最後に、時雨さん。…一緒にいてくれてありがとう、それからごめんね、って。…あんたのこと恨んで無かったよ。恨んでる奴の名前、遺書のあるページにぎっしり書かれてたけど、時雨さんは、書かれてなかった。むしろ、手紙があったよ、あんた宛の。」


