雨のち晴れ

「俺が相手じゃ、時雨は満足しない。」

「⁉」

平助はニコリと笑った。

それは、もしかして、俺に対してのライバル宣言か……。

「俺、時雨の、バスケがまた見たいんすよ。」

しぃは、前のようなバスケはしない。


本当に楽しそうで、ただがむしゃらで、

綺麗に笑う、そんな、しぃのすがたがみたい。

「俺は、小学校の時に、憧れたのかも…。時雨に。」

小学校…?

「俺、実は時雨と、小学校一緒なんすよ。だから、疾風先輩とも一緒っす。」

いただろうか…。白浪……

平助のような明るいやつ。


「ぁ、俺苗字違ったし、髪色とかちがうし、陰キャラだったし、わかんなくてもおかしくないっすよ。」

「あ。藤堂……。藤堂平助…じゃないか?」

「知ってるんすか⁈」

小学校のとき、しぃと俺は、バスケで目立つだけでなく、あの小学校の番長でもあった。

だけど、しぃが、唯一喧嘩を売ろうとしなかった男。

「お前、目立ってたぞ?しぃが唯一喧嘩を売ろうとしなかった男ってな。」

「へ⁈俺売られましたよ⁈」
「は?」

「一回だけ、ぶつかったから、キレられて、謝ったら、怒鳴ってきたから、取っ組み合いの喧嘩になった時に、その、不可抗力で、胸のへん、つかんじゃって…時雨、泣きながら逃げてたんすよ…。」

なるほど…。

それで、一度も泣かなかったしぃが泣いたことがあったのか。

で、平助が、通ると、俺の後ろに隠れてた訳か。

「でも、時雨、大人しくなりましたね、小学校の時のこと考えたら、考えられない。」

確かにそうなのかもしれない。

いや、ちがう。

大人しくなったんじゃない。

我慢してるんだ。