「ついた。」
「…こっちです。」
ずっと黙っていた時雨が先に歩き出す。
「来たことあるのか?」
「毎月、お花を添えに来てて…こっそりですけどね。」
まるで隠れているかのように時雨の背中が小さく見えた。
「…アキラ…」
「ここか?」
「はい。」
俺は…何もわかってないんだな。
「アキラ、久しぶり、でいいのか?これなくて悪かった。」
俺は、1時間ほど墓に話しかけていた。
「なぁ。時雨、アキラの最期を教えてくれないか。」
「……後悔しないでくださいね。」
そう言って時雨は、話し始めた。
俺にとってはすべて、初めて聞く話だ。


