「そろそろ行くぞ。時雨から話は聞いたな?」
「はい。」
こえが、揃った。
そしてまた、第3Qが、始まった。
それは、点取り合戦の始まり。
体力が劣った方が負けるハイペース。
俺を含めたみんなの体力が続くか続かないか、それが勝負の分かれ目となる。
水瀬は体力的にはまだかなり残ってるだろう。
そんな気がする。
そして、点取り合戦は終わりを告げた。
どんどん点が取られて行く。
「…!」
追いつけない。あと一歩なのに…
飛べない。あと少しなのに…
取れない。あと少しなのに。
「チャージドタイムアウト!白!」
時計が止まると同時に、タイムアウトが取られる。
俺たちの方だ。
「お前ら落ち着け。ペースが上がり過ぎだ。向こうにのまれるな。わかったか。」
「はい。」
小さく、でも確かに俺たちは返事をした。
「向こうの傾向は高さを生かしたパス回しが多い。むやみに跳ねるな。体力が削られる。高さゆえに中からシュートは決めにくい。外から打つように。リバウンドは平澤と、伊藤、頼んだぞ。」
「はいっ!」
大きく確かにみんなで返事をした。
「行ってこい!」
第3Q残り3分。俺たちの2度目の攻撃の開始。


