雨のち晴れ


「陣先輩、わかってますか?真向で敗れるほど単純な罠だったら、あたしだってとっくにどんなものか気づいてますよ。」

それなら誰だってわかる。そんなことはわかりきってる。

「でもそんな簡単なものは罠とも策略とも言わない。」

それにビビッてなんかいられない


そういうのも全部含めて、俺たちは勝ちに来たんだからさ。

「…気をつけて、くださいね。」

そっと、しぃがつぶやいた。


そして、また第2Qがはじまる。


「気を抜くなよ。」


監督からボソリと言われた。

スローインは水瀬から。

…それにしても背が高い。

同じくらいの身長なのは伊藤くらい、か。

「…上から…」

上から簡単に抜かれる。

ドリブルであればカットは可能だけど…

パスカットは…正直きつい。

「…策だの罠だの…何かしらないけど…」

倫の声。

「俺が全部奪い返してやる。」

それと同時に、パスを空中で掴む。

「一本、大事に攻めるよ!」

伊藤が大声で言った。