雨のち晴れ


「…!」

伊藤にダブルマーク…。

俺達のパスの根源を防ごうとでも言うのだろうか。

でも、フリーにした相手が悪い。

「伊藤!」

倫はフリーにしてはいけない存在だ。

「倫っ!」

苦し紛れのパスでも空中で受け取って、両足で着地

それからディフェンスが来ても、

「フェイドアウェイ…」

綺麗に決まった。

「倫、いつの間に…」

あんなこと、できてたっけか?

「俺にできないことはなにもないんだよ。」

倫が二カッと歯を見せて笑った。

俺達は絶好調のまま、

第1Qを終えた。

「この調子で行くぞ!」

俺の言葉にいつもなら反応しないベンチの部員も声をそろえた。

「…気を付けて疾風。さっき、水瀬はタイムアウトを取らなかった。ってことは、もしかしたらあっちの思い通りだったのかも。」

策略に俺らがはまったってことか?

「僕たちが策略にはまったカモってこと?」

伊藤が俺の言葉を代弁する。

「はい。そうです。」

「…。なら、真向で破るしかないな。その策略。」