一週間は過ぎるのが早い。

俺はただ一週間、佐倉と伊藤と速攻の練習をして、倫と1on1して、平助とシュート練習をして…そんな毎日だった。

「疾風。ちょっと帰りにみんな集めてもらえる?」

しぃにそう言われ、頷いた。

そして、今日も練習は終わる。明日は、大会当日だ。

このまま、練習し続けたいと言ったら、しぃは困ったような顔をして、オーバーワーク禁止ってボールを取り上げるんだろうな。

「明日は大会当日だ!各自今日の疲れを明日にためないこと。明日は会場に直接集合すること。遅れたら…スタメンだろうと控えだろうとマネージャーだろうと誰だろうと、大会翌日にグラウンド二百週させるからな。」

「はいっ!」

監督の言葉にみんなの返事が響き渡る。

「しぃ、なんかあるんだろ?」

しぃは頷いて体育館隅に置いてあった袋を取り出した。

「…裁縫、得意じゃないからすごくいびつだけど、風歌と二人でお守り作ってきました…。風歌。」

風歌に一つの袋を渡して二人で配りだす。

「疾風。」

「さんきゅ。」

一人ひとり、色も違えば、番号も違う。

「…#4…。」

俺の背番号…。


陣も暁も、みんな違う番号。それぞれの背番号…

「スタメンと、平助とトーマの分はあたしが縫ったからすっごいいびつで…ごめんなさい。」

しぃの言葉に倫がしぃの頭を撫でながら

「そんなことないから大丈夫。」

と慰める。

…それは俺の役目なのに。


「全員もらったか?」

俺の声にみんな頷く。

「ぁ、待って。監督も、これ。」

監督にも手渡していた。

監督のには、#1と縫ってある。もしかして本当に全員分なんだ。きっと自分たちの分もあるんだろう。

「…あぁ、ありがとう。今日は、時雨と姫島から明日に向けて一言言ってやってくれ。」

いつもなら監督の言葉で終わるのに。