ドリンクの用意が終わって、風歌の方を見れば、ジャグの中にも、ドリンクを入れてくれたらしい。
「持って行こうか。」
風歌が頷いて、あたしたちは二人で一つ持つ。
去年は、先輩たちが引退してから、ひとりでもってたんだよなー…。すごくきつかった。
「まだ休憩時間じゃないよね。舞台まで持ってく?」
「そうね。持って行った方が楽だし。」
また運ぶのは面倒だもんね。
「時雨、風歌!ジャグ、もう一つあるよな?」
「ぁ、はい。あります。」
「俺、取って来るから、ボール拾い、どっちかよろしく。」
風歌が、私がやる、と、あたしに告げて、ゴール下に向かう。
あたしは、倫先輩について、タオルとドリンクを取りに行こうかな。
「ジャグってもう一個なかったっけ?」
「あー、ありますよ。」
そういえば去年生徒会に買ってもらったのがあるはず。
めっちゃ、は?とでも、いいたそうな目で見られたけど。
「それで、もうひとつ、作っといて。そしたら、ドリンクも一回作るだけでいいだろ?」
「ぁ、はい。」
ジャグは分量図るの面倒なんだよな…。
まぁ、いいか。
あたしは言われたとおり、ジャグを取り出し、軽く洗って、ドリンクを作る。


