「新入部員を紹介する。」
「一年倉橋淳之介でーす。ジュンって呼んでくださーい。」
疾風の後に出てきたのは、小柄な一年生だった。
「じゃぁ、いつも通り練習始めるぞ。」
その言葉にあたしと風歌は、部室へと急ぐ。
タオルとドリンクの準備をしなきゃ。
「ねぇ、しぃちゃん。次のスタメンどうなるかなぁ…?」
確かに。三年生のスタメンは外れることはないだろう。平助とトーマはわからない。佐倉くんも、スタメン入りするかしないかのギリギリ…。どうなるんだろう…。
「ジュンくん、昨日平助先輩と1on1して勝ってたから…。しぃちゃんにそっくりのスタイルだった。…ううん。コピーって言ってもいい。」
「あたしの…コピー?」
「うん。ジュンくん曰く、魅せるバスケ。まるで、羽が生えたのかって思うように軽々動いてて思わず目をこすっちゃった。」
いや、まさか、漫画じゃあるまいし完全なコピーなんかできるわけない。
平助だって真似はするけど、そっくりってわけはない。
その人にはその人のくせがあるから。