病院の前には旭も兄貴も着いていた。
「時雨も来たのか。」
「たまたま会ったんだよ。」
「あたしは昨日の話聞いて、おじさんに会いたくなったから来たんだよ。旭にぃ。」
しぃは旭に苦手意識があるらしく少し尖った言い方で話す。
「そーかそーか。」
でも、旭は気にしてない。
「お待たせしました。」
俺たちが騒いでいると八瀬さんが私服でやって来た。
「あれ、佐倉君の家の…」
しぃも気がついたらしく、驚いた顔をする。
「八瀬愛理です。ところで、姫島さん、何か御用で?」
「…ついて来てもらえますか?」
俺の言葉に八瀬さんは仕方なさそうに頷く。なんだか面倒だと思ってるらしい。
まぁ、確かに俺が八瀬さんだったらめんどくさい。
それでも俺は黙って歩く。親父の病室に。
お袋も叔父さんもそこにいる。


