旭と兄貴は似ている。一つ違うのは、繋がっている、血。
旭はお袋の双子の姉の息子。
父親の血は確実に違う。
だけど、声といい、身長といい、顔といい、俺と兄貴が血が繋がってなくて、旭と兄貴の方が繋がってるんじゃないかと、違和感を覚える。
「落ち着いたか?疾風。」
「何で、旭が…」
「あー、雛乃と別れたから、戻って来たって。」
旭の両親は旭が7歳の頃交通事故で亡くなった。旭だけ、奇跡的に助かった。
それからずっと、旭がバイトを始めるまでは一緒に住んでたけど、自分で稼いで生活をすると出て行って以来久しぶりだ。多分…3年ぶり。俺が中3の時でてったから。
「雛乃さんって、兄貴の彼女じゃ…」
「あー、一時期な。いいやつだったけど、旭に寝取られた。……まぁ、俺もあいつとはセリの代わりって感じで付き合ってたしな。」
それでぱったり、兄貴と一緒にいなくなったのか。
それで、俺と会う時は一人だったのか。


