「部活、楽しいか?」

「まぁ、楽しいかな。」

なんて、思ってもないことを答えて、

本当は聞いて欲しいんだ。

俺のこと。

全部、全部。

「それなら、なんで、お前の顧問から俺に電話が来るんだ?」

げ…あいつ電話したのかよ。

「きょ、今日たまたま、なにも言わずに休んだからじゃねーかな。」

「一週間部活に来てないってお前の弟はどうなってんだ。ってさ。俺と弟を同じように言うなとは言っておいたけど、無駄だろうな。俺が真面目にやってたから、お前も真面目に決まってると思い込んでるみてーだな。」

それは知ってる。

あの顧問は俺と兄貴を同じだと思ってやがる。

俺は兄貴じゃないのに。

「やめてもいいんだぞ?お前が演劇が嫌いなら。」

「…嫌いじゃない。演技も装置を作るのも小道具作るのも嫌いじゃない。でも、嫌いだ。顧問も、部員も。みんなみんな、嫌いなんだ。」

「やめてしまえば楽になるぞ?」

それは、何度も考えた。

でも、考えれば考えるほどわからなくて