「疾風、ごめん!」

「あぁ、別にいい…!」

なんだか何時もの、しぃっぽくない。

いや、ノーメイクなのは変わらないけど…。

「?どうしかした?」

なんだか大人っぽい。

「今日歩くよね?そう思って、ヒールやめたんだけど…。」

「あぁ。親父の生まれ故郷の、親戚の家にいく。」

親父が生まれた場所…。

そこにまだ、親父の弟さんがいる。いつも、会いに来てくれるから知らなかったが…。

親父の弟さんは、親父の祖父に預けられたらしい。

学校に通うのに、親父が通勤するのに都合のいい場所がちょうどなかったらしく、別々に暮らしていたらしい。

…なんで、妹さんだけは、養子に出したんだろう…

しぃは黙って頷いた。