「おはよう。疾風。」

朝、5:30。扉を開けると朝に弱いはずの幼馴染が立っていた。

「朝練にはまだ早い時間だぞ。」

「知ってる。今日は、疾風に一言、言いに来たの。」

風歌が、話してしまったのだろうか。

まぁ、仕方ないか。

「一人で溜め込まないで。それから、本当のことはちゃんと話して。力になりたいし、慣れないならせめて邪魔しないようにしたいの…。あたし、待ってるから。疾風がバスケやりたいって思ったときにサポートできるように、バスケ部のマネ頑張るから…!じゃ、じゃぁねっ。」

それだけ言うと、学校の方面に歩き出した。


それにしても…

「しぃ、今日日曜日だぞ?」

今日は、確か、オフのはず。

「ししししし、知ってる!」

と言う割には、制服着てるし…いろいろ慌てたのかもしれない。

「貴重な日曜日のオフだぞ…?」

茶化すように言うと、

「ね…ねぇ、おじさんの妹さん探し…手伝っちゃダメ…?」

「…そこまで話したのか。…いいよ。ただし、しぃはオフの日だけな。」

「うん!」

しぃは、恐る恐る聞いていたのに、俺の返事に満面の笑みで答えた。

「着替えてこい。」

自分の格好をもう一度見直して、少し笑い、10分で戻ると、言ってダッシュで部屋の中へ。

きっと、そんなに早くは来ないだろうな。

俺は、ゲームでもして、適当に時間潰すか…。

「疾風ー?あんた、傘持って行きなさいよー?」

お袋が俺の折り畳み傘を持って、玄関から顔を出す。

あぁ、そうだ。今日は、雨予報。