これじゃダメってわかってる。
でも、疾風が、バスケをしないならあたしも、マネージャーは、したくない。
「…あたしは…わかんないよ…。疾風の気持ち…。」
「疾風にぃの気持ちがしぃちゃんにわかるわけないよ。私もわからないもん。」
疾風の気持ちがわかるわけない…か。
「しぃちゃんは、疾風にぃをいつまで縛り付けるの?私にはしぃちゃんは、疾風にぃにバスケのこと押し付けすぎだと思うよ。」
「なんでそんなこと言い切るの⁉︎」
それはない。だって…疾風は、バスケしてるときは、バスケしてるときが一番楽しそうだもん。
「しぃちゃんは、自分が出来なかったこと、全国大会で優勝することを、疾風にぃにやらせようとしてる。それは違うよ。」
「勝ったから、全国にでてるんでしょう?」
あたしのせい?そんなの、おかしいでしょ!
「疾風にぃ、部活終わった後とか、休んでる日はおじさんの妹探してるんだよ?」
おじさんの…妹?
「前にいた人は⁈」
「あの人は雪歩お姉ちゃんのお姉さん。気づいてない振りしてるけどね。疾風にぃの家族は。」
…!
「何で疾風はあたしに何も教えてくれなかったの…?」
「疾風にぃは、しぃちゃんに、みんなを支えることを、マネージャー業に手を抜いて欲しくなかったんだよ。『俺が親父の妹を探してるって言ったら、しぃは、着いて来るだろうけど、今は勝てる可能性があるあいつらのサポートを一生懸命やって欲しいから。』そう、みんなに言ったの。」
…はは…わかってないのはあたしだ。
あたし、疾風のこと何も知らなかったんだね…。ごめん疾風。


