雨のち晴れ


「え…?」

「バスケなんてどうでもいい。」

疾風が…バスケをどうでもいい…?

「疾風…?」

「どうせ、俺がいなくたって勝てるんだから…俺はいてもいなくても…一緒だろ?」

「そんなことないよ!疾風!」

なんで、なんでそんなこと言うの。

疾風がいたから、疾風がみんなに勝つぞって言ったから…

疾風の言葉がみんなを支えて勝ちに導いたんだよ⁈

「佐倉は、俺以上にシューティングガードの素質がある…」

「そんなことばっかり言わないでよ!湧泉のバスケ部のシューティングガードは、疾風しかいないんだから!」

疾風しか、出来ないんだよ…。

疾風のバスケをしてる姿が大好きで。

疾風が笑う顔が大好き。

だから、疾風を支えたくて…。

女バスやめて、バスケに関わるのやめようと思ったけど…それでも、疾風がいたから、男バスに入ったんだよ…

「疾風は勝手すぎるよ…あたしをここまで連れて来て置いて途中で放棄する気?」

「あとは、あいつらにでも乗って行けよ。」
「いやだよ。疾風だから着いて来たんだよ⁉︎」

その言葉に返事はなく、ただ、行くぞ、と言うせかす声だけが聞こえた。