県大会のあとから疾風があたしを迎えに来なくなった。部活も、週一の割合で休むようになった。
「疾風…おじさんのお見舞い、行ってもいい?」
「…ん。じゃぁ、今日一緒に行くか。」
ワンテンポ遅れた返事に違和感を覚える。
「疾風…。」
「なんだよ。」
ねぇ、疾風…なにがあったの…?
「おじさんの好物、買って行こうか!」
なんて明るい振りした声を出す。
「…あぁ。」
やっと今日一番の笑顔を見せた。
ううん。ここ一週間。
「ジメジメしてるね、さすが梅雨。」
「まぁ、仕方ない。こんな季節だからな。」
何時ものように話を振れば何時ものように帰ってくる。それが当たり前で。
でも、なんだか、物足りない。