第4Qが、始まる。

佐倉くんが、ゴール前でフェイク…!

うまい。南日向が引っかかった。

「あいつは単純で戻りが遅い。フェイクには簡単に引っかかる。何度もフェイクをして行けば予測して、飛ばなくなった瞬間にシュート。これで混乱させられる。」

疾風は、本気で南日向と戦って勝ちたかったんだろう。じゃないと

そんなことわかるはずない。

試合は、やっぱり、取って取られての繰り返しばかりで、たまにファールがあったりするだけ。

そんな中…南日向がついていたボールを佐倉くんが、とった…!

そして、南日向を横切り、一人でドリブルして行く。運がいいことに誰もいない。そのまま、シュート。

ここからだった。

さっきまでの疲れなんてまるでないかのように、湧泉は反撃を始めた。

そして…

「80対64。白!」

「ありがとうございましたっ!」

両者の声が響き渡る。