「でも、」
「疾風が、頑張ってくれてる、それだけであたし、十分だよ…。」
疾風が怪我してバスケができなくなるなんて、おじさんや、おばさんも、神楽にぃも望んでない。
風歌も、陣先輩も、暁先輩も、平助も…トーマも佐倉くんも、監督も…
もちろんあたしも望んでない。
だって、疾風がいなかったら…疾風がいなかったら…あたしは、バスケから離れてた。
風歌を止められなかった。
「疾風…」
「俺は…部長なのに…」
「疾風は確かに部長だよ。でも、その前に一人の部員でしょ?無理なんてしないで…」
あたしは、疾風が無事で、疾風が隣で笑ってくれてたらそれでいい。
疾風の笑顔があたしを助けてくれてるんだよ。
「しぃ…絶対連れてってやる…。」
そう言って疾風は、監督の元へ歩いた。
「監督。第4Qだけでも、足が動いたら出してください。」
「無理だ。」
そのやりとりの最中に…南日向がシュートを決めた。
「お願いします。今しかないんです。」
「もっとバスケができなくなってもいいのか?」
「俺は…今しかないんです。今やらないと後悔する。」
疾風は大学に行かないつもりなの…?
行くでしょ?バスケの強い大学に行くって言ってたじゃない…。
「…お前は自分が出ないと勝てないと思ってるのか?」
「え?」
疾風だけじゃない。全員が監督の方を一斉に向いた。


