「ブロッキング!赤5番。」
赤…向こうか。
うちは白だもんね…
…!
「君、立ち上がれる?」
審判のその声に気づいた監督が、タイムアウトをとった。
「タイムアウト!白!」
他のメンバーが歩いてくる。その人たちにタオルを渡す一方で疾風は立ち上がるのもままならない。
捻挫、で済めばいいけど…
審判が手を貸してやっと立ち上がった。
それでも歩けてない。かなりびっこひいてる…
「佐倉。アップだ。ハンドリング軽くしとけ。」
監督の声に、スタメンがハッと佐倉君を見る。佐倉君は、少し悔しそうな顔で、唇噛み締めながら、はい、と頷き、ハンドリングを始めた。
疾風はその姿を見ていたらしい。
諦められない顔をした。
つくと同時に審判にお礼を言い、監督に跪く。
「俺は、まだでられます。出してください!試合、やらせてください!俺に雪辱はらさせてください!俺の、俺の雪辱戦なんです!」
必死に頼んでて、本当は加勢したい。
でも、ダメだ。
「疾風…」
「なぁ、お前らからも頼んでくれよ。一緒に戦って来たんだから…」
陣先輩や、暁先輩にも頼み込んでる。
その姿を見るのは、本当はすごく辛い。
あたしだって疾風に出て欲しい。監督だってそうだよ。
「…しぃ…」
「ごめん。疾風…今の疾風はダメだよ。足、痛いんでしょ…?」
あたしはとめなきゃいけない…
今後のことも考えてよ、疾風…。
「…でてぇよ…最後かもしれねぇのに…俺は…」
「今でたら、本当に最後になるぞ。出なかったら次があるかもしれない。」
監督が疾風に落ち着かせるように言った。
「時雨、疾風にテーピングしてやれ。佐倉、お前は、スモールフォワード、本田、お前はパワーフォワード、伊藤、お前はポイントガード、藤堂はシューティングガード。これでいけ。」
全員、返事をして、あたしは疾風をベンチへ連れて行く。
「…俺がしぃを、インターハイに連れて行きたかった…」
「疾風、まだ負けは決まってないし、勝ちも決まってないよ…?」
まだ、何も決まってない。


