雨のち晴れ


「俺の…雪辱戦だな。」

疾風がポツリとつぶやいた。

「あぁ。頼むぞ。疾風。」

監督が疾風に笑いかけた。

一昨年の試合はあたしも見た。

一応、湧泉が勝ったけど、危なかった。

南日向、あの人が疾風のシュートの1/3を止めた。

湧泉の先輩たちは、柴田先輩とあの時のキャプテンさん以外、南日向にほぼ全て止められた。

保津峡の動きはみんなで止めてたけど、南日向の動きは全て、疾風が止めていた。

でも…疾風は、南日向のシュートは、1/4しか止められなかった。

83対82で勝ったとはいえ、
そのうちの50点は南日向一人に入れられたんだ。

「…ぜってー勝つ。」

「…おぅ。」

みんなで拳を頂上にあげた。

「県大会だからって手を抜くな。全ての試合に本気になれない奴に、この先はない。」