「疾風と、時雨ならお似合いじゃん。ねぇ、雪歩。」
「んー、でも、あたし的には、まだ赤羽か、平澤の方が許せるんだよね。」

お前らは保護者か!

と突っ込みたいのを堪えて、どうにか笑みを絶やさないように努力する。

「倫先輩ー。笑みが怖いっす。」

怖い?何がと言いそうになるのを黙っておく。

「俺は女は無理だからな。たとえ、時雨と風歌でも、触れないし。」

「時雨と疾風はもはや、部内公認本人非公認カップルだからなー。」

なんてわざとはやしたてて…

本当は俺だってお前が好きなのに。

本心だけは口にできなくて、ポーカーフェイスとか口走って。

「そういや、友穂先輩が壊そうとしてる家庭の名字ってわからないんですか?」

本田は、まだ、伊豆蔵が苦手らしく恐る恐る聞いている。

「ごめんね。わからないの。」

何もわからないらしくとても申し訳なさそうに言う。

結局、上を止めなきゃなんも変わんねーってことか…。


でも、とりあえずは試合に集中できそうだ。インターハイをかけた、あいつら最後の試合。