泣きながら、伊豆蔵に
掴みかかるのかと思ったら掴みかからなかった、
「利用されてることも知ってたわよ…」
「早苗…」
「あの人が、友穂先輩は、私がセリの妹ってこと知ってた。それで、神楽さんに近づきたかったんだよ…。昔、セリと神楽さんを引き裂いたのはあの人。あの人は人の痛みが好きなのよ…」
つまり、黒幕は…伊豆蔵の姉…?
「今は、一つの家庭を壊すのが楽しいみたいです…。」
…一つの、家庭…
「疾風…」
神楽さんが、疾風の名を呼び走り出す。
疾風も追いかけるように走り出す。
「雪歩…許すよ。私も雪歩と笑いあいたい。でも、陣のことはちゃんと、本当のこと言うんだよ?」
「はい。」
疾風…こっちは終わったぞ。
あとは、お前自身だ。


