「みんな、その子をお通しして。私は大丈夫よ。」
メイドさんたちに声を掛けると、メイドさんたちは、頭を下げてそれぞれの仕事へと戻った。
「久しぶりね。雪歩。」
伊豆蔵の後ろにはあいつらはいない。
一人で来たのか?
「早苗、先輩。」
「真実を話してくれるの?」
真実も何も、あいつが早苗先輩と、陣を陥れたことが、事実で、真実だろ…。
それだけが本当だろ?
なんだよ、
「…あたしっお姉ちゃんに…」
「友穂、先輩に?バカ言わないでよ!友穂先輩がそんなことするわけない!」
あぁ、そうか。伊豆蔵教と呼ばれるくらい過激な伊豆蔵派もいるけど、伊豆蔵友穂教は、さらに多いのか。
それは、早苗先輩も…。
「…早苗、雪歩の言うこと、聞いてあげなよ。」
佳苗先輩が初めて伊豆蔵の味方をした。
「だって、雪歩が、友穂先輩のこと、疑ってるんだもの。そんなわけないわ。友穂先輩は、全て正しいの。」
…友穂先輩が、全て正しい…?
「…友穂先輩のどこがいいの…?」
「全てよ。弱小バスケ部のコーチをしてくれてる、その時点で正しいの。」
「コーチ…?」
「友穂先輩の代は、湧泉女バス初の全国まで導いた。その名残でコーチをしてくれてる。今もそのはずよ。」
そういえば、いたな。髪がふわふわして、爪が不自然に長い、ボールが持てるのか不明な手をしていて、しかも、その手はキラキラしていて、服装はいつも綺麗なワンピース。コーチというより、OGの風格を漂わせた女。


