雨のち晴れ


伊豆蔵の肩や、声が震えていることに気がつく。

「雪歩は汚くないよ。道を間違えただけ。雪歩が汚いなら僕も汚いよ。みんな、汚いよ。」


そっとそっと

抱きしめる。

捕まえるかのように、でも、軽く。

「あっくん…」

「なんか、話し流れてますけど、陣先輩のこと、どうする気なんですか?」

しぃが、冷たい顔で言い放った。

「流されるところだった…」

陣が小さくつぶやく。

確かに俺も流されそうだった。

「…正直に、言う。平澤は、あたしを襲ってない。あたしが平澤を脅した。時雨を男子バスケ部から離したかった。時雨をあたしのそばに置きたかった。」

それだけなのか…?

「時雨が好きなの。大好きなの。だから、あたしにしか見せない表情が欲しかった。だから、傷つけた。それと同時にあっ君と普通に話せることが羨ましくて、憎かった。だから、いじめた。」

「雪歩…」

「あたし…最低だ…さっきまで当然だと思ってた。時雨を傷つけることが、当然だって。でも…違う。あたし、あたし…あんたたちと、ちゃんと話したい…。時雨と笑いあいたい。あっくんと、笑いあいたい…!」

「もういいです。興ざめです。これからは、こんなことしないでくださいね。」

しぃは、優しくそう言った。

言葉はきついけど口調は優しいからそんなに怒ってないんだろう。