ははっ…
これ、確実に俺の顔だし。
しかも、隣の女とは腕組んでるから、言い逃れできねーし。
「それは、過去のことです。それに、あたし、疾風が疾風である限り、どんな疾風でも、過去も、今も未来も…大好きですから。」
「…しぃ…」
そして、顔を伊豆蔵に向けてはっきりと、にこりと笑った。
「だって、疾風は、あたしにとって家族以上に家族みたいな存在ですから。」
「おい、時雨、語るのはいいけど、のろけはやめろ。」
のろけ…⁈
「時雨がこう言ってるんだから、僕たちはそばにいていいよね。君に時雨の意思まで変えさせることはできない。」
伊藤が追い打ちをかける。
「…時雨、あなたが頼むなら、平澤のこと、なんとかしてあげてもいいわ。」
「本当、ですか?」
信頼ならない。やめろ、と言おうとしても、声が出ない。
「もちろん。」
「お願い、します。」
しぃ、頭なんか下げんな。下げる意味なんかない。


