電話で柴田先輩に連絡を取る。
「いいってさ。」
先輩は今、あのジムにいるらしい。
あそこは、プールもあるからすごく広いし、設備もいい。
歩いて数十分…
あ…あれって…
「水野先輩だよな?水瀬の。」
あたしたちが一年生の頃、三年生だった先輩で、柴田先輩と同じ学年で、あたしがあった時には、バスケ部を辞める直前だったっけ。
「横にいるの、深海先輩じゃない?」
たしか、水泳部のマネージャーで…シンクロが大好きで、水野先輩と幼馴染で、水野先輩が大好きなんだっけ…。
そんなこと考えてたら、向こうもこちらに気付いたらしい。
深海先輩が走ってくる。
転ばなきゃいいけど…
うん、転ばなくてよかった。
「しぃちゃん、久しぶりだねっ!」
「お久しぶりです。深海先輩。」
「相変わらず可愛いなぁー。」
それはあなたの方でしょう!と言いたくなって言葉を封じ込める。
多分、言っても無意味だ。
「誰かと話してたんですか?」
「航ちゃんと、柴田先輩と、海渡と、波流と、新と、広瀬とー。これからも、たまーにプール借りにきたいからさ。ほら、柴田先輩との直接のつながりが航ちゃんで切れちゃうから。」
それで、やけに人数が多いんだ。
「私も最上級生だしねー。」
あ、そっか。疾風と同じ学年なんだ。
「しぃちゃんと、へーくんはどうしたの?今日平日だよ?うちは、創立記念でお休みなんだけど…。」
「実は…」
あたしと平助は顔を見合わせてこの人なら話してもいい、そう思って深海先輩に全てを話した。
途中、柴田先輩と、水野先輩、なぜか、あとから来たらしい榊塔矢先輩に富田絵里先輩も加わる。
全員水泳部だったんだよね?
塔矢先輩と、陣先輩が仲良くて、富田先輩と佳苗先輩が仲良くて、水野先輩と疾風が仲良かったんだっけ。
「え、それなんの冗談?」
「陣先輩の無実を証明しようと思って、みんなで考えてるんですけど…」
「それ、いつのことだ。」
水野先輩が言う。
「えっと…一昨日の9:00ごろって雪歩先輩は言ってるそうです。」
あたしの言葉に、先輩たちは顔を合わせる。
「その時間さ、私と、塔矢と、深海ちゃんと、柴田先輩と、陣で遊んでたよ?」
し、証言が…!しかも、その日のアリバイ!
何で陣先輩、そのこと話さなかったんだろう…?


