雨のち晴れ


そんなことするわけないのに。


俺はただ、黙ってた。

「今日俺が芽衣子の家の前で見張ってやるよ。」

大切なやつのためなら。

どんなことだってやってやる。

それは俺の生きる意味になるから。

「!でも、陣が襲われたりしたら…」

「俺はヒガシの頭、そう簡単には襲われねーよ。」

そう言って俺は…芽衣子に笑顔を向けた。

「…ありがとう。」

それは、付き合って二ヶ月の熱い夏の日。



夜になって芽衣子の、家の塀の影に隠れた。

夜でも蒸し暑い。

カタン、とポストを開ける音がした。

それは、つまり…ストーカー。

俺は急いで塀の外へ出た。

でも


ポストの周りには誰もいなくて。

あれ、俺……かこまれてる?