雨のち晴れ



血が出ていても、母親は、あたしを放っていた。泣き叫んでも、ご飯がうまく食べれていなくても。

お父さんが、気づいてくれてなかったら、あたしの手は使い物にならなかった。

だから、あたしのバスケは、右手を多く使ってた。


左利きなのに……。それでも、左手も少しは使えたから、あたしは、

バスケで、生きて行くことを決めてた。

なのに、


足も、ダメになってしまったんだ。

「風歌が、マネージャーをやるなんて言わないことだけ祈るぜ…。」

「…うん。」

あたしは頷いた。頷いただけだった。

「まぁ、風歌ちゃんなら言わないだろっ?確か、中学はモテそうって理由だけで、チアリーダー部だっただろ?」

だからこそ心配なのに。風歌は、大の男好きなんだから……。