「陣。今日は家帰るの?」
「暁は帰っていいぞー?」
「違うって、学校で何日も泊まるのは陣の体に悪いから、僕の家においでよ。あの二人は僕の部屋には近づかないし。陣のこと、嫌ってないし」
知ってる。
あの人たちがいい人だということは。
でも、だから。
甘えてしまいそうで。
女だというのに、暁の婆さんと聖理奈さんは平気で。
なんだか不思議だ。
「どうせ家に帰っても、あの女がうぜえだけだしなー…。」
「なら、おいでよ。ゲームしようよ。」
「いや、お前の婆さんと爺さんに迷惑かけるわけにはいかねーし。」
仕方ない。流石に5日も、学校での野宿は俺もキツい。
銭湯から出たあと寝るのに寒いし、飯は、暁が持って来てくれるパンだけだ。
「いや、今日は帰るわ。」
「帰っても大丈夫なの?今、親父さんいないんでしょ?」
「親父いても殴られたりすんのは変わらないし。」
最近は反抗もできるようになったんだぜ。と、軽く笑う。


