雨のち晴れ



「親父…」

「あら、疾風さん。」

八瀬さんが今日もいた。

「?疾風?」

「ぁ、こちらは、八瀬さん。親父の愛人。」

「はぁぁぁぁっ⁈」

流石に驚いているらしい。

「おー、疾風来たのか。」

「あー、こいつは兄貴の神楽。」

伊藤が軽く頭を下げると、兄貴は、ニコッと笑う。

うん、同じ腹から生まれた兄弟のはずなのに、イケメンに見える。

うぜえ。兄貴。

「いつも、疾風がお世話になって。兄の神楽です。」

「い、いえ、こちらこそ。ぁ、あの、い、伊藤です。」

めちゃくちゃ焦ってる。

まぁ、気持ちがわからないこともないけれど。

親父、まだ起きてねーのか。

早く起きろよ。

俺、親父ともっと話したかったよ。

いろいろと。なぁ、だから死ぬなよ。

親父、病気なのか?なぁ、何なんだよ…。