「何。陣は俺たちのこと裏切るわけ?俺たち、陣の家行って今、佐倉の家で陣の、あの噂をどうやってなくそうか、どうやって陣が処罰をうけないようにしようか、ずっと考えてたんだ。知らねーよな。無様に喧嘩して、殴られて骨折。まだバスケ部員だから喧嘩したら俺らに響くとでも思ったのか?東中トップだったお前が喧嘩に簡単に負けるわけねーよなぁ?俺はずっとお前に背中預けてきたし、お前も背中を預けてくれてた。だから、お前が負けるなんて信じらんねーんだけど。」
…んっと…
え、こいつら元不良?
え、元ヤンですか?
「…ったりめーだろ。あんな奴ら、三分あればぶっ潰せたに決まってる。」
「なら、」
「今は…話せない。」
俺が知ってもいいことなのか。知らなきゃいけないことなのか…
「疾風、わりぃな。俺がいなくてもお前らなら勝てる。」
「陣がいねーと、意味ない…」
「…疾風、暁を支えてやってくれ。」
こっそりと言い放った陣に、反論しようとするとその口は塞がれる。
陣はニコリとして、俺たちを追い出した。
「…伊藤。俺、親父のところ行ってくる。」
「僕も行っていい?」
あぁ、と頷き、親父の病室へと体を向けた。


