「やっぱ、立てこもり。」
「俺たちだけじゃ少ないだろ。」
しぃの言葉は、ことごとく部員達に潰されて行く。
苛立ちすぎている。気持ちはわからなくもないけど。
「なら、どーすんのっ‼︎言葉で伝わらないならさ、態度で示すしかないじゃんかっ!」
わかってる。そんなこと、俺だってわかってるけど。
「態度だけでどうにかなるもんじゃないんだろ。」
平助の小さなつぶやきで部屋には静寂が訪れた。
「…俺だって、立てこもってきいてもらえるならそうしてーよ。でも、現実見ろよ。たてこもれば、犯罪行為だって、逆に聞いてもらえなくなるぞ。」
平助の妙に、いつもと違うテンションに、誰も口を挟めなくなる。
「私…立てこもり、しても意味ないと思う。立てこもったら、バスケ部全員、大会棄権とかなって、疾風にぃも、伊藤先輩も…大会出れなくなっちゃう。」


