雨のち晴れ



「またね。時雨。」

雪歩先輩は、悲しそうに笑った。


何でかなしそうにするのかは全くわかんないけど。

「しぃーっ!遅いぞーって、伊豆蔵…。」

「姫島じゃん。時雨、ゆきは行くね。」

姫島 疾風。部長。

そして、あたしの幼馴染。

「ぁ、はい。」

何で、雪歩先輩は、疾風が来たらいなくなるんだろう?

「疾風、」

疾風は、スキンシップが、激しい。

どこでも、あたしを抱きしめる。


「何。」

疾風は後ろから抱きついたまま、

あたしにそういう。

「何で、雪歩先輩のこと、嫌うの?」

中学の頃からだった、

雪歩先輩と、疾風は仲が悪い。

「アイツ、裏があるから気をつけろ。」

そーだ。

誰も知らないけど、疾風は雪歩先輩を筆頭に、いじめられてたんだ…。

「向こうから、よって来るの。」

「んなもん、風歌の差し金に決まってんだろ?」

ぁ、そっか。風歌の差し金で雪歩先輩は、疾風をいじめたんだっけ?

それに。
由奈のことも。

なんだかんだ言って、

一番にあたしにそれを言った。


そーだね、

風歌の差し金…