雨のち晴れ


スタメンのビブスは、青。スタメン以外は、白。

ジャンプボール。

俺が、ボールを真上に投げる。

高さではスタメンが劣る。

確か、一番背が高いのが陣。186cm。

低いのが平助で169cm、だったはず。

白の方にはバスケ部一背の高い石原がいる。確か、192cm。

でも、空中戦はきっと、陣が制す。

あいつのジャンプ力はすごい。


やっぱり、陣がボールをタップした。

とったのは、佐倉。

「佐倉!こっち!」

得意の速攻を、平助が仕掛けようとする。

本田が言っていたとおり、平助と佐倉が、組んだら最強かもしれない。

「藤堂先輩っ!」

佐倉のパスが平助の手に引き寄せられるように、通る。

「トーマ!」

かなり速いスピードで走っていた本田に平助のパスが通り、本田はノーマークのまま、ドリブルをする。

そしてそのまま、レイアップ。

やはり本田は、基礎の動きがしっかりしている。
派手にダンクはできないけど、確実に決めることができる。

「ナイッシュー!」

平助が大声で、本田に向かっていいながら、ピースサイン。

本田も笑ってる。

きっと、平助と佐倉が組んだら、最強なんじゃなくて、平助と佐倉と、本田の三人が組んだら最強なんだと思う。

じゃなきゃあんなに綺麗に速攻はできない。

「どうしたの?お前ら、スタメン欲しくないわけ?スタメン欲しいなら、奪う気で練習中のゲームもしなきゃダメじゃん。」

珍しく、伊藤がよく喋る。

「どう見てもやる気ないでしょ。そんなゲーム、やりたくないよこっちだって。僕らは一応スタメン。君らよりは上手いんだろうね。でも、君らで、勝てないわけじゃない。同じチームで、同じ練習こなしてるんだから。最初から全力で来ないと恥ずかしく負けるだけだよ。佐倉がこっちに入ってる理由なんて、上手だからじゃないよ。君たちと違ってやる気が目に見えるからだよ。」

それだけ言うと、陣に、ねぇ、と問う。

「あぁ。」

伊藤がたくさん話すことに驚いたっぽいな。

俺も驚いてるけど。

「僕は、ベンチにすら入れない奴らは興味ない。でも、その中でも、ベンチに入りたいって強く思ってる人には、それ相応の対応をするつもりだよ。」

伊藤は言い切ると、佐倉のほうに駆け出した。

佐倉にごにょごにょと耳打ちをする。

さっきのパスのことについてだろう。

「はい!伊藤先輩、アドバイスありがとうございますっ!」