俺の茶髪とか、ピアス見ても嫌な顔しずに、普通に笑かけてくれて、普通に話してくれる、数少ない大人。

俺もお見舞いには行きたいけど、やっぱり行きにくいよな。

ケータイと、財布をカバンの中にきちんとしまって、制服をたたむ。それから、何かあった時のためのトートバッグに制服を入れる。

あいつは、置き勉主義で、教科書とかは、何も入ってない。なのに頭いいからむかつく。

そして、俺は時雨たちを呼びに行く。


それだけだ。

…電話?

出る訳にはいかねぇから、出ねぇけど。

…?兄貴、神楽さんか⁈

でて、いいよな?

でるぞ?

「もしもし。」

「あれ?赤羽くん?疾風は?」

「疾風は、5分くらい前に出てきましたよ。ケータイ、忘れてったみたいっす。時雨たちに、届けさせようと思ってます。」

「そっかー。助かる。しぃちゃんに中崎総合病院まで来てって頼んでもらっていい?」

「はい。わかりました。」