しぃは俺を誰もいない部屋に連れて行く。
「なんなの?あの人。おじさんのそばで、まるで自分が奥さんのように座ってさ。奥さんは、おばさんでしょ。」
まるで自分のことのように怒る。
俺は知らないと一言簡単に告げた。
俺が何かを言ったからと言って、別に何も変わらない。
ただ、親父の死が近づくか、母親が痩せるか、兄貴がまた新しい彼女を作るか、俺が成長するか、それだけだ。
「おばさん、痩せ細ってるね…。ホストとか絶対行ってなかったと思うよ。」
ずっと、母親は俺にはホストだって言い切っていたけど…
流石にあの顔を見たら夜中まで働いていたんだろうな、と想像はつく。
「疾風、時雨ちゃんたちと家に帰ってくれる?」
母親が、顔を覗かせて無理やり作ったような笑顔で、俺たちに言った。
とりあえず、おとなしく従っておこう。
「…わかった。」
「私も、7:00過ぎたら帰るから。」
7:00すぎということは、7:30には帰ってくるってことだな。
久しぶりに、母親にあったのに、父親にあったのに、もう何も感じない。
怒りも、呆れも。
ただ、揃ってよかった。それだけ。


