俺の知らないところで何かが起こってて、俺はそれを知らないままで。
あぁ、もうなんなんだ一体っ!!
「神楽にぃ、疾風にぃ、おじさん大丈夫?」
「疾風の荷物持ってきたよ。」
時間を確認する。
まだ部活が終わる時間じゃない。
「おじさん、大丈夫?」
しぃが俺に聞く。俺が黙っていると、兄貴が、しぃに言う。
「親父はまだ眠ってる。だけど顔見せてやってよ。風歌ちゃんも。」
二人は顔を合わせて、母親の方を見る。
「えぇ、見せてあげて頂戴。」
ニコリと、しぃと風歌に向けて、微笑んだ。
八瀬さんが、中にいるのに大丈夫なのか…?
俺はそう、聞けなかった。
「!……どなたですか」
しぃの威嚇するような声が聞こえた。
「…八瀬愛理と申します。失礼ですがあなた方は?」
しぃが声のトーンを変えないまま、返答する。
「仁科時雨です。神楽にぃと、疾風の幼馴染です。こっちは、妹の風歌。」
「まぁ、浩介さん、息子さんの幼馴染の方がお見えになりましたよ。」
しぃの視線なんてまるで気にしていないようだ。
「おじさん、早く起きてね。」
風歌の声が聞こえる。
そのまま、二人は病室から出てきた。


