「やり直そう。2年1組を、作り直そう。…時雨。」
あたしの目から涙がただただ溢れる。
ねぇ、由奈、あたしに降り注いでいた豪雨は、晴れたよ。
雨ってあだ名のくせに、あたしの雨は晴れたよ。
「…時雨…生きて。時雨、ウチは時雨が大好きだから。生きて欲しいよ。」
由奈の声が聞こえた気がする。
…ううん。気のせい。
由奈は、あたしたちの心の中でなら生きてるけど、今ここにいるのかはわからないんだから。
「由奈ーっ!」
クラスメートが叫んだ。
その言葉にみんなが、由奈の名前を叫ぶ。
「由奈、遅くなってごめんね!やっと…時雨とも仲間になったよ!」
仲間に、なった…
その響きが嬉しすぎる。
仲間なんだ。
あたしは、クラスの仲間にしてもらえた。
あたしはクラスの一員になれたんだ。
いつもさみしかった。
それも、もう終わりだね。
「由奈、お前が守ったクラスメートを、俺らが守ってくからな!」
平助が最後に空に向かって、思い切り叫んだ。


